訪問診療について

先週初めて往診をさせていただく機会がありました。近隣にお住まいの方で、診療終了後に薬剤師と看護師の3人で伺い診察と血液検査を行い、幸い、緊急を要せず内服薬で経過をみることとしました。

私が勤務医として働いていた時には、担当させていただいたがん患者さんや高齢患者さんなどで、がんの進行やADLと生活自立度の低下により、お一人またはご家族の付き添いのもとでの通院が困難になることをたびたび経験しました。

以前は、がんの終末期に体力低下などを来すと入院される患者さんが多かったですが、2019年コロナウイルス感染症の流行を機に、患者さんとそのご家族よりご自宅で最期まで過ごしたい、過ごさせてあげたいとのご希望が増えました。その場合には、通院されている間にクリニックや在宅医療施設の先生と訪問診療の調整を行い、患者さんの体調や患者さんとご家族の希望を踏まえて在宅医療、訪問診療へ移行していました。

また、高齢・基礎疾患などにより生活自立度やADLが低下した場合には、施設へ入所し、施設や嘱託の先生に加療を引き継いでいただくことも度々経験しました。

患者さんの転居などと異なり、このような形で担当を離れることは心残りで、患者さんやご家族より「先生は家(または入所される施設)まで診察に来てもらえますか?」「先生に引き続き見てもらいたかったので残念です……」とお話をいただくときは、いつも申し訳ないと感じていました。そのため、開業を考えたときに、通院が困難となってこられた患者様に対して訪問診療を行いたいと自然に考えるようになりました。

開業医となり、これから少しずつですが取り組んでいきます。近隣の住居や施設に居住されている方に対して診療日の昼休み時間など(状況により診療時間外に往診も)伺いたいと思いますので、ご要望やご質問などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。