大腸カメラCOLONOSCOPY

肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体と小腸の一部を観察します。
粘膜を直接観察できるため、腹痛・便潜血・下痢・便秘・血便などの原因となる炎症性腸疾患・過敏性腸症候群、そして近年では年間15万人以上が罹患(大腸がんと新たに診断)し、がんの部位別では第1位になっている大腸がんを診断できます。便潜血検査や採血での腫瘍マーカー値、注腸エックス線検査などで難しかった早期発見が、大腸内視鏡検査では可能です。そのため、近年では大腸がんの予防と早期発見に推奨されております。

当院では、検査の際に大腸がんの元となる大腸ポリープを見つけた場合、その場で日帰り手術にて切除することが可能です。胃カメラとは違い、検査を受けていただくためには、必要な前処置として腸の中をきれいにすることが必要となりますが、当院では前処置に専用のトイレ付個室を使用いただけます。

このような方は検査をおすすめします
  • 便が細くなった
  • 血便が出る
  • 体重減少
  • 下痢と便秘を繰り返している
  • 大腸ポリープの切除歴がある
  • 親族に大腸がんを患った方がいる

大腸カメラで分かる
疾患例

  • 大腸がん
  • 虚血性大腸炎
  • 感染性腸炎
  • 痔核
  • 潰瘍性大腸炎
  • 大腸憩室症
  • 大腸ポリープ
  • 直腸粘膜脱症候群
  • クローン病
虚血性大腸炎
虚血性大腸炎

大腸の粘膜に十分な血液が行き渡らなくなることで発生する病気で、これを虚血性大腸炎といいます。原因には、血管側の要因(糖尿病や高血圧、脂質異常症による動脈硬化や脱水による血流低下など)と腸管側の要因(便秘や浣腸による腸内圧の上昇や、腸の過剰な蠕動運動など)があります。
これらが複合的に作用して発病すると考えられています。
この病気は特にご高齢の方や便秘に悩む人に多く見られ、女性が発病しやすい傾向があります。症状としては、突然の強い腹痛が始まり、その後下痢が続き、徐々に血便が見られるようになることが特徴です。

大腸がん
大腸がん

日本では大腸がん(結腸がん・直腸がん)は増え続けております。
がん統計のまとめでは、2019年の大腸がんのがん罹患数(大腸がんと新たに診断された数)の全がんの中での順位は、女性・男性ともに第1位となっております。大腸がんは、早期に発見できれば内視鏡により、治療することができます。
前がん病変である良性の腺腫を見つけた場合、切除すればがんの予防にもなります。しかし、腺腫や早期がんは自覚症状がほとんどないため、積極的に検査を受けなければ発見されることはありません。
当院ではその場で切除可能なポリープに関して、日帰り手術を行っております。※ただし出血のリスクが高い場合や、外科的切除や粘膜下層剥離術が必要な場合などは、高松市立みんなの病院など関連病院へ紹介させていただく場合もあります。

便潜血検査と大腸内視鏡

便潜血検査と大腸内視鏡

便潜血検査は2日間の便を採取し、血液の混入の有無を検査するもので、簡便で安価な検査でありながら、大腸がんの早期発見に有効とされております。しかし、便潜血検査の精度は必ずしも確実なものではありません。たとえば早期がんの約半数、進行がんも20%~30%は便潜血検査が陽性とならず、見逃されてしまうとされています。
そのため便潜血検査で異常を指摘されなかった場合も、腹部の症状や排便異常がある方は、症状がなくとも40歳~50歳を目安に大腸内視鏡検査を受けられることをおすすめしております。

当院の内視鏡検査の特徴

苦痛に配慮した内視鏡検査
当院では検査を受ける患者さまが快適に大腸内視鏡検査を受けていただけるよう様々な工夫を行っております。
鎮静剤・鎮痛剤を使用した大腸内視鏡検査

当院では、大腸内視鏡検査の際に鎮静剤・鎮痛剤を使用しております。
検査の際に使用することで緊張を和らげることができ、痛みも緩和された状態となります。
苦痛をできる限り減らせるよう心がけております。

検査後のおなかの張りを軽減させる炭酸ガスを使用

大腸粘膜を丁寧に細かく観察するため、空気を腸管内に送気し、大腸を膨らませながら検査を行っております。腸管を膨らませすぎると検査後におなかの張りを感じるようになり、しばらく苦しい状態が続いてしまいます。当院では通常の空気ではなく、腸管から吸収されやすい炭酸ガスを送気しております。炭酸ガスを使用することで、検査後のおなかの張りが速やかに解消されることになります。

軸保持短縮挿入法を実施

当院では、従来の大腸粘膜を押し伸ばしながら進めるループ挿入法ではなく、軸保持短縮法を採用しております。軸保持短縮法は大腸を折りたたみながら内視鏡を挿入していくため、検査の際の痛みを抑えることができます。また、腸の状態・体格・既往歴・手術歴などを考慮して適切な挿入法を使い分け、患者さまにとって負担を抑えた検査を行っております。

院内で下剤服用が可能

大腸内視鏡検査を行う際は、検査当日の朝に下剤を飲んでいただきますが、当院ではご自宅か院内のどちらかを選んでいただいております。初めての大腸内視鏡検査で、下剤を飲むことが不安に思われている方は院内での下剤服用をおすすめしております。
院内では、専用トイレ・ロッカー・モニター付きの個室をご利用いただけます。

大腸がん検診の2次検査にも対応

高松市が行っている大腸がん検診(便潜血検査)で異常と指摘された方の2次検査(大腸内視鏡検査)を当院で行っております。
大腸がん検診で異常を指摘された方はお気軽にご相談下さい。

内視鏡専用の洗浄機での感染対策

当院では、電解性酸性水を用いて短時間で消化管内視鏡を消毒する装置を導入し、消化管内視鏡検査に起因する感染予防に努めております。
少量の電解促進剤(塩化ナトリウム)を添加した水を電気分解して得られる電解性酸性水には、高い殺菌効果があります。
学会が推奨しているガイドラインに沿った洗浄・消毒方法を行い、衛生管理を徹底しております。

土曜午後は女性医師による
検査に対応

当院では、女性医師による内視鏡検査を月に2回、土曜日の午後に実施しております。
担当日はお知らせに掲載しています。希望される方はお気軽にお伝えください。

日帰りで大腸ポリープの切除

大腸ポリープの中でも腺腫と呼ばれるものは前がん病変といわれており、一定のサイズを超えるとがん化するリスクが高まり内視鏡的な切除が望まれます。当院では、必要性と患者さまのご希望に応じて大腸ポリープの切除を行っております。特に50歳以上の方や、親族に大腸がんを患った方がいる場合は、大腸の内視鏡検査を受けることをおすすめします。

土曜日も検査が可能

土曜日も検査を実施しております。平日は仕事や家事・育児などでお忙しい方でも検査を受けていただける環境を整えております。

検査後は、リカバリールームまたは
個室でお休みが可能

鎮静剤や鎮痛剤を使用した場合は、十分に意識が戻るまでリカバリールームまたは個室で安静にお過ごしいただきます。そのため、お身体への負担をかけることはありません。

ブルーライト照明を導入

当院の内視鏡室では、トライテラス社製のブルーライト照明を導入しております。
この照明は補色効果により病変をより明確に認識しやすくし、患者さまや医師の負担を軽減します。
また、常夜灯のように室内を照らしつつ、モニターへの映り込みを防ぎ、手元の明るさを維持しながら作業効率を向上させます。
さらに、青色光の照明にはリラックス効果もあり、検査中の快適性を高めます。


内視鏡システムについて

当院では、内視鏡システム「ELUXEO8000」を導入しております。
このシステムはこれまでの内視鏡システムだけでなく、超音波やレントゲン装置など様々な画像システムの新しい技術を取り入れた画期的なシステムです。高画質な画像を提供し、胃がんや大腸がんの早期発見をサポートします。内視鏡検査の質がさらに向上し、見逃しのリスクをより減らすことが期待されます。